冷却能力試験(No.1)

1. 目的
ケースの放熱孔、ファンの有無による各部の上昇値を測定し,冷却効果を評価する。
2.方法
2−1.環境/状態
  1)HD     M2934SAU(FIJITSU)
  2)ケース    NASSO−3
  3)CPU    NEC PC−98
  4)動作状態   ランダムW/R
2−2.測定点
  1)HD−LU  HDエンクロジャー左上
  2)HD−RD  HDエンクロジャー右下
  3)HD−IC  HD−MPU上部
  4)FIN    電源放熱板
  5)ROOM   周囲
  6)1C/2C  1次側コンデンサ上部
           2次側コンデンサ上部
2−3.放熱孔(風向)
  a:HDケース上部両側面 (吸気)
  e:HDケース上部    (吸気)
  b:電源ケース中央部両側面(排気)
  c:電源ケース下部両側面 (排気)
  d:電源ケース底面    (排気)
3.条件
3−1.温度上昇試験No.1
  1)全放熱孔閉、ファン停止
  2)全放熱孔開、ファン停止
3−2.温度上昇試験No.2(ファン動作)
  1)縦置、放熱孔ab開、cd閉
  2)縦置、放熱孔abc(d)開
  3)横置、3−2−1)〜2)と同じ
  4)縦置、放熱孔abcde開
4.結果(温度上昇値(データー:小数点以下四捨五入))
試験No 1 2
1) 2) 1) 2) 3) 4)
HD-LU >37 >41 13 8 7 6
HD-RD >35 >39 13 11 10 10
HD-IC >45 >47 16 15 14 13
FIN >34 >33 19 15 14 13
1C >27 >24 - - - -
2C - - 12 9 8 7
5.考察
1) 試験No.1−1)は密閉状態でHD−MPU部が上昇値45℃以上、試験No.1−2)は強制空冷がない状態でHD−MPU部が上昇値47℃以上となり危険なため、測定値73℃で中止した。このHDでは、強制空冷は絶対条件である。
2)試験No.2では各放熱孔のバランスを検証した。
 排気側をb+cと増やすことで、HDエンクロジャー左上/右下が5/2℃程度下がることか  ら、HDエンクロジャー上の風量が増え、冷却効果が良くなると思われる。(試験No.2−1)/2)参照)また、そのことは吸気面積aが不足ぎみと考えられる。なお排気側dは、バッテリーがあることから、ほとんど効果が認められなかった。
3)次に吸気面積aが不足ぎみを検証した。
 吸気側eを増やすと明らかにHDエンクロジャー左上/右下/HD−MPU部が、2/1/2℃程度下がることから、eの効果が認められた。(試験No.2−3)/4)参照)4)上記の状態で、横置時を検証した。
設置方法での大きな影響は認められなかった。
6.結論
 本ケースのHD部の温度上昇は、HDエンクロジャー部で最大10℃程度HD−MPU部で最大13℃程度、電源部で13℃程度であることから、HDの最大温度が45℃とすれば、周囲温度32〜35℃程度まで使用可能である。
*「参考」  温度上昇試験の結果は、下記グラフを参照のこと。


HD FUJITU M2934SAU NASSO-3ケースによる温度上昇試験


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