- 1. 目的
- 縦設置時のファン停止状態による各部の温度上昇値及び、横設置時(三段重)の各部の温度上昇値をそれぞれ測定し、ケースの冷却能力を検証する。
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- 2.方法
- 2−1.動作環境
- 1)HDD CFP4207S(CONNER)
- 2)ケース NASSO−3 Ver.1
- 3)CPU NEC PC−98+B550
- 4)動作状態 ランダムW/R
- 2−2.測定点
- 1)HD−E1 HDエンクロジャー後部中央
- 2)HD−E2 HDエンクロジャー前部中央
- 3)HD−IC1 HD−IC U19上部
- 3)HD−IC1 HD−IC U9上部
- 5)ROOM 周囲
- 4)FIN 電源部放熱器TR3近傍
- (1/2次側コンデンサ上部との
- 温度差は1℃以内のため省略)
- 2−3.ファン・放熱孔の開口面積
- ・前/後方ファン 26.9 Cu
- ・放熱孔 吸気側(HD部ケース上両サイド) 25.2 Cu
- 排気側(電源部ケース下部サイド) 25.2 Cu
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- 3.条件
- 下記の条件で各測定点の温度を測定し、各部の温度上昇値を算出する。
- @ 縦置、前/後方ファン−ON
- A 縦置、前方ファン−OFF、後方ファン−ON
- B 縦置、前/後方ファン−ON
- C 縦置、後方ファン−OFF、前方ファン−ON
- D 縦置、前/後方ファン−OFF
- E 縦置、前/後方ファン−ON
- F 横置、三段重一段目、前/後方ファン−ON
- G 横置、三段重ニ段目、前/後方ファン−ON
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- 4.測定結果
- 結果については下記のグラフを参照のこと。
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- 5.考察
- 1) 条件@は縦設置時での温度変化を測定した。
- (「各部の温度変化」の@参照)
- HDエンクロジャー後部中央(HD-E1)が上昇値10℃、HD-ICU19上部(HD-IC1)が上昇値18℃となり、この状態で使用した場合はHDエンクロジャー部の最大温度を55℃とすれば、周囲温度45℃程度まで使用可能と思われる。(「温度上昇値」の・参照)
- 2)条件A/Aは縦設置時で、前方/後方のファンがそれぞれ故障した場合の温度変化を測定した。
- (「各部の温度変化」のA/B参照)
- HDエンクロジャー後部中央(HD-E1)が上昇値20/17℃、HD-ICU19上部(HD-IC1)が上昇値29/23℃となり、前方ファンより後方ファンの方が冷却効果大である。
- また、ダブルファンの大きな効果(HD-E1点で7-10℃、HD-IC1点で5-11℃)も認められた。
- この状態で使用した場合は、周囲温度35/38℃程度まで使用可能と思われる。(「温度上昇値」のA/B参照)
- 3) 条件Dは縦設置時で、両方のファンが故障した場合の温度変化を測定した。
- (「各部の温度変化」のD参照)
- 強制空冷がない状態ではHDエンクロジャー後部中央(HD-E1)が上昇値37℃以上、HD-ICU19上部(HD-IC1)が上昇値40℃以上となり危険なため、HD-E1の測定値56℃で中止した。
- よって、このHDでは強制空冷は絶対条件である。(「温度上昇値」のD参照)
- 4) 条件F/Gは横設置の三段重時の、一段目/二段目のそれぞれの温度上昇値を測定した。
- (「各部の温度変化」のD参照)
- HDエンクロジャー後部中央(HD-E1)が上昇値12/11℃、HD-ICU19上部(HD-IC1)が上昇値18/18℃となり、1)の縦設置の状態と大きな差(max2℃)はなかった。
- HDエンクロジャー部の最大温度を55℃とすれば、周囲温度35/38℃程度まで使用可能と思われる。(「温度上昇値」のF/G参照)
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- 6.結論
- 本ケースのHD部の温度上昇値は、HDエンクロジャー後部中央(HD-E1)が最大12℃、HD-ICU19上部(HD-IC1)が最大18℃となり、今回試験したCFP4207SのHDエンクロジャー部の最大温度が55℃であるので、使用可能な周囲温度は43℃程度までと思われる。
- また、電源部の温度上昇値は11℃程度で最大温度が50℃としても、使用可能な周囲温度は44℃程度までとなり、HD部とほぼ同じとなる。
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